「フルオーディション企画第8弾『エンドゲーム』、小川絵梨子演出で2024年5月上演決定!キャストオーディション応募受付スタート」

admin2025-03-12  7

新国立劇場の新しい芸術監督である小川絵梨子氏が、彼女の就任を機に掲げた「フルオーディション企画」の一環として、全キャストをオーディションで決定する新たなプロジェクトを発表した。この度、第8弾として、2026年5月にサミュエル・ベケットの名作『エンドゲーム』の上演が決定し、それに伴うオーディションの詳細が明らかになった。

第8弾の『エンドゲーム』は、初演から50年が経過した今もなお、世界各地で上演され続ける作品である。この作品は、終焉を待つ二人の登場人物を通じて、人間の存在や生きる意味を深く問いかける内容となっている。演出はもちろん、小川絵梨子氏が手掛けることになる。

オーディションの応募は、本日12日から開始され、審査は来年の4月から5月にかけて行われる予定で、合格者は2026年5月の公演に出演することとなる。

小川氏は、フルオーディション企画第8弾のオーディション募集開始に際し、以下のようにコメントを寄せている。

■小川絵梨子(新国立劇場 演劇芸術監督・演出)コメント
「2018年に始まったフルオーディション企画も、今回で8回目を迎えることとなりました。初回の『かもめ』から始まり、さまざまな作品を上演し、今に至ります。サミュエル・ベケットの『エンドゲーム』を上演できることを大変嬉しく思っております。この企画は、演劇の新たな可能性を探求するために始まりました。多くの方にご参加いただけたことに、心より感謝申し上げます。是非、本作に興味を持たれた方は、応募をご検討ください。」

『エンドゲーム』の舞台設定は、前作『ゴドーを待ちながら』よりもさらに荒廃した世界を描いている。人間関係は悪化し、日常の繰り返しの中で登場人物たちは生き抜いていく。この作品は、単なる終末的な描写にとどまらず、いかに「終わらないために生きるか」を考えさせる深いテーマを持っている。

ベケット自身はこの作品を「最も好きではない作品」と語りつつも、その中に人間の温かさを感じさせる言葉を残している。小川氏は、「失敗を繰り返しながらも人間はどう生きるのか」という問いを描くことが、観客に希望を届けることになると信じている。

登場人物は全4名で、ハム、クロヴ、ナッグ、ネルの4人が描かれる。ハムは壮年期から中年期にかけての人物であり、演じる方の実年齢は必ずしも設定に一致しない。役に興味を持った方は、自由に応募できる。

【小川絵梨子 プロフィール】
2004年にニューヨーク・アクターズスタジオ大学院演出部を卒業。以降、数々の舞台作品を手掛け、2018年9月より新国立劇場の演劇芸術監督に就任。最近の演出作品には『ART』『ダウト〜疑いについての寓話』などがある。

【公演概要】
『エンドゲーム』
作:サミュエル・ベケット 翻訳:岡室美奈子 演出:小川絵梨子
・公演日程:2026年5月予定(6月上旬まで全国公演の可能性あり)
・稽古日程:2026年3月下旬より新国立劇場内リハーサル室で開始予定
・公演会場:新国立劇場 小劇場 ほか

▼物語概要
家具のない室内で、盲目のハムとその従者クロヴが、退屈な日常を生き抜く様子が描かれる。彼らの会話は日常の疲弊を表し、外の世界への絶望感が漂う中、物語は進行していく。

▼募集する役
役名、性別、年齢設定
・ハム ...... 男性/40代以上
・クロヴ ...... 男性/ハムと親子関係にある/25歳以上
・ナッグ ...... 男性/ハムの父親と思われる/40代以上
・ネル ...... 女性/ハムの母親と思われる/40代以上
応募資格を満たす方は、性別や年齢に関わらず自由に応募可能。