俳優の横浜流星が主演を務める大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』が、23日に放送された第8回「逆襲の『金々先生』」で視聴者の注目を集めた。このドラマは2025年に迎える放送100年を記念して制作され、日本のポップカルチャーの礎を築いた蔦屋重三郎の波乱に満ちた人生を描いている。
蔦屋重三郎は、日本の文化が隆盛を極めた江戸時代中期に生きた人物で、喜多川歌麿や葛飾北斎などの浮世絵師を世に送り出したことで知られる。脚本は森下佳子氏が担当し、蔦重のキャラクターは「親なし、金なし、画才なし」といった逆境から成り上がる姿を描いている。特に、彼が日本史に名を刻む謎の浮世絵師「東洲斎写楽」を発見するエピソードは、多くの視聴者の興味を引いている。
第8回では、蔦重が手掛けた吉原細見『籬の花』が話題となり、主演の瀬川（小芝風花）を目当てに多くの客が吉原に押し寄せる様子が描かれた。瀬川は客の対応に追われ、他の女郎たちも手を貸すが、さらなる試練が待ち受ける。盲目の大富豪・鳥山検校（市原隼人）が新たな客として現れ、物語は緊迫感を増していく。一方、過去の罪を償った鱗形屋（片岡愛之助）は新作『金々先生栄花夢』で再起を図るというストーリー展開が描かれた。
また、吉原に登場したお笑いコンビ・サルゴリラの出演も話題を呼んだ。彼らはワンシーンのみの登場ながら、視聴者からは「サルゴリラがいた！」という声や、「自然な演技だった」といった感想が寄せられ、コント師としての存在感を示した。彼らの登場は、江戸時代の文化と現代のエンターテイメントを巧みに融合させる試みとして評価されている。
このように、歴史的な背景を持つドラマが現代の視聴者にどのように受け入れられているのか、今後の展開にも注目が集まっている。視聴者は、蔦屋重三郎の生涯を通じて、日本のメディア史やポップカルチャーの変遷を楽しむことができるだろう。
