「20年の時を超え、ネットで再会した0歳で生き別れた息子—運命の奇跡がもたらした衝撃の瞬間」

admin2025-02-24  18

ユニークな経歴を持つキャンパーの人生

 静まり返った野営地で、焚火の炎を見つめながら、夜を過ごす。ソロキャンプを楽しむ人々は、どのような背景を持ち、なぜこの趣味に惹かれたのか。キャンプブームが過ぎ去った後もなお、キャンプに魅了され続ける熱心なキャンパーたちを取材し、孤独の中に隠された彼らの物語を探っていく。(取材・文=佐藤佑輔)

 ミリタリー風のスタイルと、スイス軍の放出品を使用したテントが特徴的な50歳の佐田賢治さん。彼は「損害保険調査員」としての独自のキャリアを持つ人物だ。

「探偵のような仕事で、要するに保険詐欺を暴く役割を担っています。大学を中退し、フリーターや現場作業を経て、当時の婚約者の父が警察OBであることから、この職業を紹介されました。不法行為に関する調査が専門で、いわゆる危ない現場に足を運ぶことも多かったです。特に、自殺の疑いがあるケースの調査が一番難しい。自死では保険金が支払われないことがあるため、遺族に対して慎重に言葉を選びながら真実を確認することが求められるんです。この仕事は、周囲から理解されにくい部分もありますね」と語る。

 その後、佐田さんは損害保険調査員としての経験を活かし、30代で賠償問題専門のコンサルタント会社に転職。現在は、ハラスメントや労災などの賠償請求に関わる企業向けのコンサルティングを行っている。「前職よりは収入が安定しましたが、常に争いの中心にいるため、精神的に疲弊することも少なくありません」と苦悩を明かす。

「人々が争う理由は、単なる金銭的欲求や自分自身の評価を高めたいという動機が多いと感じています。『そんなことで争うの?』と思う一方で、当事者にとっては重要な問題であることも理解しています。そうした葛藤の中、自分も当事者に寄り添えていないのではないかと悩むことが多いです。しかし、キャンプに来ると、心が整理されるんです」と、自然の中でのひとときを重視する佐田さん。

 私生活でも、彼は離婚や人間関係のトラブルを経験してきた。元妻は、警察OBの父を持ち、結婚から1年で別れた。息子が1歳にならないうちに別れたため、以来、顔を合わせることはなかったという。

「特別な理由があったわけではないけれど、いろいろなすれ違いが重なりました。養育費は月2万円で、最初は慰謝料を追加して7万円ほどでした。20歳までその支払いを続け、5年前に完了しました。連絡も一切取っておらず、最近まで生死すら分からなかった」と振り返る。

 息子の近況を知るきっかけとなったのはSNSだった。約1年前、偶然に元妻のアカウントを見つけ、成人した息子の姿を目にすることになる。「20年以上ぶりに見る顔は、まったく別人のようでした。懐かしさや罪悪感はなく、ただただ驚くばかりでした」と述懐する。

 離婚と転職を機に関西から関東に引っ越した際、現在の妻と出会い、再婚。彼女との間に生まれた子供は、今年中学生になる。「キャンプデビューを勧めてくれたのも、今の妻です。羽田空港が見えるキャンプ場で、頭上を飛行機が通過する特別な場所です」と、キャンプの魅力を語る。

「妻はキャンプが好きで、実は彼女の方が経験豊富です。私の所有する軍幕はレアなもので、20万円近くしますが、家には数千円の安価なテントも含めて100枚以上あります。妻がしっかりと家計を管理してくれているおかげで、この程度の出費で済んでいます。彼女と出会わなければ、今の私は存在しなかったでしょう」と、感謝の気持ちを表す佐田さん。彼は誇らしげに、自身のキャンプライフを振り返った。
佐藤佑輔