地域の活性化と次世代クリエーターの育成を目指す「岡山フィルムプロジェクト」が、今春から本格的に始動する。倉敷市出身の俳優MEGUMIさんをはじめ、岡山市出身の針生悠伺監督が手がける長編映画「ReTune(リチューン)」と、いくつかの短編映画を中心に、約1年半をかけて撮影から上映までを行う予定だ。映画プロデューサーで実行委員会メンバーの伊藤主税さん(46)は、「このプロジェクトが岡山を活気づけるきっかけとなれば」と期待を寄せている。
プロジェクトは大きく二つの側面から成り立っており、「ミラーライアーフィルムズ」と名付けられたチームが短編映画と長編映画「ReTune」を、すべて岡山でのロケーションで撮影する。プロジェクトのテーマは「映画で、ひらく」とし、地域の未来を切り開くことを目指している。製作費は企業版ふるさと納税を活用し、地元の行政との連携も図りながら進められる。上映後は、全国の映画館やカラオケ店、公民館などでも作品を披露する計画だ。
「ミラーライアーフィルムズ」は、俳優の阿部進之介さんや山田孝之さんとともにプロデュースされており、2020年から全国各地で若手映画監督や俳優の発掘・育成を行っている。これまでに47本の短編作品を制作しており、岡山ではMEGUMIさんがプロデューサーを務める作品や、松田美由紀さんが監督を務める作品が、今年の4月から6月にかけて高梁川流域で撮影される予定だ。さらに、岡山での活動を追ったドキュメンタリーも計画中だ。
長編映画「ReTune」は、3月から4月にかけて表町商店街などをロケ地として撮影される。物語は、亡き父が遺した中古楽器店を継いだ女性の人間関係を描くもので、針生監督は「奪われた僕たち」(2024年放送予定)などの作品を手掛けた経歴を持つ。若手俳優の桃果さんと、今年の高崎映画祭で最優秀新人俳優賞を受賞した栗原颯人さんがダブル主演を務め、注目を集めることが期待されている。
現在、実行委員会のメンバーを募集中で、地元の大学生をはじめとする幅広い年代の参加を呼び掛けている。参加者は、映画関係者の指導の下で製作知識や機材の使い方を学びながら、脚本や撮影、編集といった役割に挑戦できる。完成した映画の広報活動やメディア対応、グッズ制作なども含まれ、多様な役割が用意されている。すでに約30人が参加を表明しており、映画製作を通じて経営や組織運営に触れる機会を提供している。プロジェクト終了後も、地域振興のために目的意識と仲間意識を持ったコミュニティが持続するよう、尽力していく方針だ。
(まいどなニュース/山陽新聞)